全国的に報道された明石市の水上バイクの危険運転に対して2022年3月30日に条例が施行されました。
明石市の発行している「広報あかし」の記事を中心にまとめました。
他市から明石へ来られる方の参考になれば幸いです。
なぜ明石市は独自の条例が必要だったのか
船舶に比べると圧倒的に流通量・事故が多い自動車では危険運転に対して懲役刑が設定されていますが、船舶では罰金刑までしか無く、現状にあっていないことから明石市では独自の条例が制定されました。
水上バイク | 車・バイク | |
該当法令 | 船舶職員及び小型船舶操縦者法 | 道路交通法 |
無免許 | 罰金(30万円以下) | 懲役・罰金 |
酒酔い | 禁止しているが罰則なし | 懲役・罰金 |
測度制限 | 規制なし | 懲役・罰金 |
危険行為 | 禁止しているが罰則なし | 懲役・罰金 |
条例までの流れ
2021年(7月~8月)
林崎・松江海岸など市内の海岸で水上バイクの危険行為がたびたび目撃される
- 刑事告発される・・・殺人未遂と県条例違反
- パトロールが実施される
- 監視カメラが設置される
2021年9月13日
明石市主催の官民連絡会議実施される
2021年9月15日
淡路市岩屋(明石海峡を挟んだ淡路島側のエリア)で死亡事故発生
2021年9月16日
国と県に法整備・強化対策の要望書が提出される
2021年12月23日
官民連絡会議の2回目が実施される
2022年3月30日
明石市で条例が施行される
条例のポイント
そもそも水上バイクの運転は法令で安全な運航が義務付けられています。
小型船舶操縦者は、衝突その他の危険を生じさせる速力で小型船舶を遊泳者に接近させる操縦その他の人の生命、身体又は財産に対する危険を生じさせるおそれがある操縦として国土交通省令で定める方法で、小型船舶を操縦し、又は他の者に小型船舶を操縦させてはならない。
船舶職員及び小型船舶操縦者法 第23条の36 3
そのため、今回の条例では特に特別な義務を課すものではなく、第9条で「遊泳者安全区域」を設けることで遊泳者の安全を確保することで水上バイクを規制する方法がとられています。
設置場所
大蔵海岸、林・松江海岸、藤江海岸、江井島海岸の4か所に設置されています。
罰則
遊泳者の近くで危険を生じさせるおそれのある速力での航行や急回転、ジグザグ航行などをすることで
「遊泳者安全区域への乗り入れ」と「遊泳者安全区域での危険行為」をした場合6か月以下の懲役または50万円以下の罰金という懲役刑が盛り込まれました。
まとめ
明石市の水上バイク条例は水上バイクを無条件に追い出すものではなく、そもそも禁止されている危険行為から遊泳者を守る条例になっています。
海の町の明石では海水浴、釣り、ボートなどさまざまな海の遊びができるので、法令に縛られるのではなく各自の節度で皆が楽しめるようになれば良いですね。