農地転用許可制度について
農林水産省によると、農地転用許可制度は優良農地の確保と計画的土地利用の推進を図るものとされています。
農地法による定義
- 『農地』とは、耕作(土地に労費を加え、肥培管理を行って作物を栽培すること。)の目的に供される土地をいう。
- 『採草放牧地』とは、採草又は家畜の放牧の目的に供される土地をいう。
農地を転用する場合や所有権の移転をする場合に許可が必要となります。
農地の転用とは農地を駐車場や住宅、資材置き場などに変更することを言います。
農地が4haを超える場合は農林水産大臣が許可権者となり、4ha以下は都道府県知事、さらに2ha以下の農地のうち2つ以上の市町村にまたがらない場合で都道府県から権限を委譲された市町村の場合は農業委員会が許可権者となります。
神戸市、明石市は兵庫県から権限を委任されている市に該当します。
1aは10m×10m=100㎡を表し、1haは100m×100m=10,000㎡ですので4haは200m×200m、2haは200m×100mの広さです。
農地法について
第三条 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。
農地法第3条は農地を第三者に売却や賃貸をする場合に必要となります。
第四条 農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
第四条は農地から駐車場や資材置き場などに用途を変更する場合に必要となります。
第五条 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。
第五条は農地を駐車場や資材置き場、宅地などにする為に第三者に売却や賃貸する場合に必要となります。
四条・五条の許可基準
農地転用許可制度は優良農地の確保と計画的土地利用の推進を図るものとされているので、農地の所有者は自分の都合で農地を転用できる訳ではありません。
転用の許可基準を満たした場合に許可権者から許認可が出されるのです。
その為には立地基準と呼ばれる一定の基準を満たす必要があります。
(引用資料:兵庫県農政環境部農政企画局農地調整室資料)
農地以外の用途に転用する場合には原則的には第2種農地、第3種農地となります。
農用地区域内農地
町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地
甲種農地
市街化調整区域内にある、土地改良事業等の対象となった農地で事業完了後8年以内の農地又は10ha以上の一団の農地で特に良好な営農条件を備えている農地
第1種農地
10ha以上の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地
第2種農地
鉄道の駅が500m以内にある等市街地化が見込まれる農地及びいずれの区分にも該当しない農地
第3種農地
鉄道の駅が300m以内にある等市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地