許可になるケース・届出になるケース
(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)
第三条 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
十二 遺産の分割、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百六十八条第二項(同法第七百四十九条及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定による財産の分与に関する裁判若しくは調停又は同法第九百五十八条の三の規定による相続財産の分与に関する裁判によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
農地、採草放牧地の権利の移転や賃貸をするときには基本的には農業委員会の許可が必要という事です。
『許可』とは、法令や行政行為によって課されている一般な禁止されていることについて、特定の者・場合に対して解除する行為です。
農業委員会の許可がなければ法律行為(農地の売買や賃貸契約)を行ってもその効力を生じません。
これは農地が投機目的により農地でなくなったり、農業生産力の低下や縮減を防ぐために規制を加えています。
しかし、親から農地を引き継いで農家を続ける場合などの場合には行政庁の判断が必要な『許可』ではなく、必要な事項が記載されていれば基本的に受理される『届出』の方式となっています。
農地法第3条の許可が必要なケース
- 売買
- 贈与
- 貸し借り(賃貸)
- 競売(公売)
- 特定遺贈
- などの場合
農地法第3条の許可がいらないケース (届出となるケース)
- 相続
- 包括遺贈
- 遺産分割
- 時効取得
- などの場合
(農地又は採草放牧地についての権利取得の届出)
第三条の三 農地又は採草放牧地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得した者は、同項の許可を受けてこれらの権利を取得した場合、同項各号(第十二号及び第十六号を除く。)のいずれかに該当する場合その他農林水産省令で定める場合を除き、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。
この場合は農地法第3条の許可はいりませんが、農業委員会に対してその旨を届けます。
(農地法第3条の3第1項の規定による届出書)