数次相続

相続

相続手続を忘れると数次相続になる

例えば土地やマンションなどの不動産を持った方が亡くなると、相続人となる人に名義を移すなどの相続手続を行います。不動産の名義を変えるには登記をしなければいけませんが、義務とはなっていません。
そこで、家庭内の事情によっては実家の家が『亡くなったおじいちゃんの名義』のままというケースが出てきます。
この『おじいちゃん名義の家』の相続人が『おとうさん』や『おばさん』だったとして、何も手続を行わないうちに『おとうさん』や『おばさん』が亡くなってしまった場合には『おじいちゃん』の直系卑属である『わたし』や『おばさん』のお子さんの『いとこたち』が相続人となります。
この状態を数次相続といいます。

数次相続の限界

さきほどの『いとこたち』とも遺産分割協議を行わないうちに『いとこたち』の誰かが亡くなった場合には、さらにその子供たちに引き継がれていきます。
これは終わることなく引き継がれていきますので、気づいた時には全く交流の無い『遠い親戚』の人と遺産分割協議を行わなければなりません。
もしかすると、居所もつかめずに連絡ができなくなっているかもしれません。
相続登記には相続人全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が必要なので、数次相続の状態になってしまうと大変な作業になります。

数次相続の場合の相続登記

数次相続の場合にも基本は時系列に沿った登記を行います。
さきほどの『おじいちゃん』から『おとうさん』と『おばさん』に相続登記を行い、そのうえで『わたし』と『いとこたち』の相続登記を行います。

例外的に『中間省略登記』というものがあります。
『おじいちゃん』を相続するのが『おとうさん』1名だけ(『おばさん』が相続放棄した場合など)の場合には『おじいちゃん』から『わたし』への相続登記ができます。
この場合には『おじいちゃん』から『おとうさん』への相続登記に必要な登録免許税を払う必要が無いためにコストセーブすることになります。

しかし相続放棄するには『自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内』に行わなければいけないので、知りながら長期間放置されていた場合には利用できません。

数次相続が発生する場合の対処

相続についてはもともとトラブルが起きやすいものです。
まして、数次相続になった場合にはよく知らない親戚だけでなく、誰が相続人なのかも分からないこともあるでしょう。
相続人どうしの争いが予想される場合にはできるだけ早期に相続問題に実績のある弁護士に相談することをお勧めします。

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